木
22
4月
2010
個人間でも組織の中でも、性格の違いからくるすれ違いや葛藤で終わらせず、
可能性をお互いに活かし合うことが可能です。
具体例について、お話しましょう。
ある会社の場合、大きな体制の変更により、
強い不満をもらしていた社員がいて、経営者は手をこまねいていました。
そしてその社員が待遇に不満をもっているということが
問題点として上がっていました。
私たちはその社員にお会いしたことはありませんが、
経営者からお話をお聞きする内に、タイプ6(忠実な人/信頼を求める人)である
可能性が高いことがわかりました。
タイプ6の人が不満をいっている時は、
実は表に出ていることが本当の問題とは限らないことが多いのです。
いろいろな問題点を相手にぶつけながら、
自分が本当にいいたいことを自分でも探っているのです。
この場合、必要なことは、本人が心の整理をできるよう、
話をじっくり聞いてあげることであって、
表に出ている問題をすぐ解決することではありません。
また、体制変更に伴い、去った社員もいる中で、
このタイプ6の人が留まったという経緯もお聞きしました。
組織にとどまるタイプ6の人は、多くの場合、
とても忠実な気持ちをもっています。
(反面、依存的という問題もありますが。)
そのことをお話したら、経営者の方は、
確かにその人が会社の中でも人一倍、
会社に対する思いをもっていたことを思い出しました。
社員があまりにも反抗的な態度を示しているのに困り果て、
会社に対する思いが深かったことを忘れていたのです。
タイプ6の人のテーマは「信頼」です。
大きな体制変更の中で、経営者と自分の間にまだ信頼関係があるのか、
そして自分の居場所があるのか、というのが主な関心事です。
その経営者はタイプ3であり、合理的に考え、
問題となっている社員と待遇についての交渉をしようとしていましたが、
待遇そのものよりも、まず信頼関係を取り戻すことをお勧めしました。
その結果、とりあえずその社員を食事に誘って、話を聞くことにしました。
数日後、その経営者の方からメールが入り、
自分が元気になったこと、問題となっていた社員の方とも
話し合いがうまくいき、解決に向かっているとのことでした。