水
28
4月
2010
エニアグラムは、9つの性格タイプ分類に基づく自己成長のシステムです。
ただ、自分の性格タイプは、血液型や生年月日による占いのように、自動的に答えが出てくるようなものではありません。
また、通常の性格診断テストのように、質問に答えると「あなたはこのタイプです」と一方的に教えられるものでもありません。
<タイプを自分で探求する>
エニアグラムにも診断テストはありますが、それはあくまでも目安。
答えを与えられるのではなく、自分で考え、感じ、心の中を掘り下げて
いくことにより、たんなる知識としてではなく、自分や人を理解する力が
身につくのです。
たとえば、自分の性格はどこからきているのか。元々の自分の資質なのか、
それとも仕事の役割なのか。どこまでが親の影響なのか、など。
重要なのは、タイプは「実際行動」に表れるということです。
自分はタイプ4と信じているのに、実際行動としては、
大体において、自分から積極的に人に近づき、
アドバイスをしているとしたら、
それはタイプ4ではないのです。
タイプを判別するのに、心の内側で感じる感覚のみを
判断基準とすることはできません。
こうした探求においては、多くの気づきや学び、
自分で発見した喜びもあります。
すぐに自分のタイプがわからないために、
いろいろなタイプについてじっくり検討することも、
いい学びとなります。
そして、自分のタイプが間違っていたことに気づいたとしても、O.K.
ある時期の自分の課題が、そのタイプを通じて表れていたのかもしれません。
実際、間違ったタイプと信じても、自分にとって得ることがある場合もあります。
(だからこそ、違っていたということがわかると、ショックを受ける
こともあるのですが。)
そして最終的に自分のタイプが見つかると、
腑に落ちた確かな実感があります。
<性格タイプの正確さ>
どんな性格テストでも、回答が100%正しいといえるものはありません。
まず、活字によるテストの限界というものがあり、
ひとつの言葉に対して抱くイメージが、
人によって異なるということがあります。
それから、本人の自己申告によるものである以上、
客観的に回答するのが難しいということもあります。
ところが、日本ではとくにテスト信仰が強く、テストの回答だけで、
自分はそのタイプと思い込むことがよくあります。
そもそも、インターネットなどでのエニアグラムのタイプ診断は、
お手軽につくられたり、ずさんなつくりになっているものが多く、
注意が必要です。
(ちょっと見ただけで、ずさんなつくりであることがわかるのに、
そのまま使われているのが不思議に思えることもあります。)
リソ&ハドソンは、数年かけて、もっとも本格的なタイプ診断テストを
作成しており、第三者機関の検証も受け、精度を高めています。
自己成長のためには、「適切な自己認識」をもつことが重要です。
エニアグラムは、自分のタイプを発見するプロセスの中で、
客観的に自分を見つめ直すことができます。
<エニアグラムは人を枠に入れるものではない>
最後になりますが、エニアグラムは、
私たちを単純に9つの枠に入れてしまうということではありません。
わざわざ枠に入れなくても、
現象としてすでに存在する性格的傾向について語っているのです。
それはこれまでの体験を振り返ってみたり、
目の前の相手や自分に実際に起きていることに目を向ければ、
実感することができます。
リソ&ハドソンが述べているように、エニアグラムはむしろ、
「すでに入っている枠に気づき」、より自由になるためのものです。
大きく9つの性格タイプに分類されるとしても、
一人一人がユニークでミステリアスな存在であることに変わりはありません。
また、エニアグラムでは、誰もが9つのタイプすべての要素をもっていると
考えており、人には多様な側面があります。
ただ、その内のひとつがその人の中心的な核であるということなのです。