04

6月

2010

菅新首相の性格プロファイリング

新しい首相が今日、選出されました。

 

首相が頻繁に変わるため、タイプ研究が追いつかず、大変です。

 

とはいえ、菅さんについては以前からタイプに注目してきましたので、

プロファイリングを試みたいと思います。

 

 

まず、菅さんについての巷の人物評(報道による)を挙げてみましょう。

現実的、短気、上から目線、攻撃力と柔軟性が共存など。

 

実は私たちは彼を「タイプ3(達成する人)」と推測していますが、これらの

特徴と合致します。

 

タイプ3と思われる政治家は他にもいます。

オバマ大統領、クリントン元大統領、麻生太郎、小沢一郎、前原誠司、

細野豪志など。

 

経営者の例としては、ワタミ社長の渡邉美樹さん。

俳優ではクリント・イーストウッド、アーティストではスティング、

スポーツでは中田英寿など。

(女性の人物例は今回、省略します。)

 

タイプ3の人は、光がきらめくような「輝き」を資質としてもっています。

 

深層の動機としては、自分が優れた達成を遂げることで、

自分の価値を感じたいということがあります。

(あるがままの自分には価値がないという根元的恐れを抱えています。)

 

母親的存在(女性)とのつながりが強く、自分に対する期待に敏感に

応えようとします。

オバマさん、クリントンさんのいずれも、母親と奥さんの影響が強い

といえます。菅さんも奥さんが強いそうですが。

 

健全であれば、正直で、人に希望を与え、意欲や可能性を引き出します。

ヴィジョンが明確で、実行力があります。

 

通常の状態としては、現実的で実際的、合理的です。

目標が明確で、それを最短で実現するために、

手段を柔軟に変えていきます。

 

気が強く、そつのないところがあります。

「やればできる」と、達成するまで粘り強くチャレンジします。

向上心が強く、ハードワーカーです。

 

表向きは強く、クールに見られますが、実は傷つきやすく、

繊細なところがあり、自分を防衛しています。

 

ほめられ、すごいと思われることによって、

モチベーションが上がります。

 

健全度が下がるにつれ、短気になったり、上から目線でものをいいます。

気が強い一方、人から嫌われることを恐れるため、優柔不断になり、

意見がぶれることがあります。

 

決めたことをよく変えるため、信頼されなかったり、

目標に目が行きすぎて、プロセスを丁寧にできなかったり、

周囲の意見や気持ちを十分大切にできません。

 

自己中心的になり、傲慢になります。

 

さて、これからの菅さんの可能性と落とし穴について---


エニアグラムは、かなり明確な予想を可能にします。

 

菅さんがタイプ3の可能性を活かすことができれば、

希望をもてるヴィジョンを示し、人の意欲を引き出すモチベーターになれます。

また、ヴィジョンを示すだけでなく、現実的で実行力もあります。

着実に形にしていくことができます。

 

一方、エニアグラムでいう「落とし穴」とは、

各性格タイプが、もっとも恐れていることを実現してしまうことです。

 

タイプ5であれば、もっとも恐れるのは、自分が「無能」であることです。

タイプ5と推測される鳩山さんが結局、「無能」という評価を受けることは、

堪え難いことに違いありません。(辞任する際の挨拶でも、数年経てば、

自分が何をやろうとしていたか、わかってもらえるだろうという趣旨のことを

話していました。)

 

タイプ3であれば、もっとも恐れるのは、自分のイメージと現実の自分との

ギャップを見せつけられ、恥を感じることです。

自分には価値がないと感じるような失敗をしたり、不健全であれば、

嘘をついたことがばれるかもしれません。

(クリントン元大統領も代表例ですね。)

 

菅さんがタイプ3だとすると、気をつけなければいけないことは

次のようになります。

 

1.ものごとを実現する際に必要なプロセスや手順を踏むため、

周囲の意見によく耳を傾けること。指摘や批判を攻撃と受けとめるのではなく、

自分のことを思って言っている可能性を考えましょう。

 

2.自分のビジョンがはっきりしているからといって、自明の理として、

上から目線で人にものをいわないこと。

 

3.方針変更がたび重なると信頼にヒビが入ります。

 

4.合理的で感情を抑制する傾向があります。

あまりソツなくすると人はついていきません。

人間らしさや人情味がでるといいでしょう。

 

5.ものごとが思う通りに進まないとイライラする傾向が

ありますが、周囲の人の足りない面だけではなく、

どれだけやってくれているかに目を向け、感謝の心をもつことが重要です。

 

6.率直に本音のいえる信頼関係を築ける相手が必要です。

 

7.ハードに働きすぎて燃え尽きないよう、心身のケアが必要です。

 

8.はっきりした性格のため、周囲が敵/味方に分かれやすいことに

注意しましょう。

 

9.自分に苦言を呈してくれる存在が重要です。

 

政治の具体的なことはわかりませんが、

エニアグラムによるプロファイリングをベースとすると、

基本的に、菅さんは現実的で実務的な庶民派で、

強い性格であるため、鳩山さんに対して感じていたもの足りなさを

ある程度補うことができると思われます。

 

ただ、党内のさまざまな考え方をまとめ、人がついていきたいと

思うようなうつわの大きさがないと、敵/味方の構図の中で、かなり

困難を覚えることになると思われます。

 

謙虚に人の意見に耳を傾けつつも、

必要な時は八方美人に陥らず、強くリーダーシップを発揮するという

バランスがうまく働けばいいと思います。

 

あとは政策の中身と政治家としての能力ですね。

 

タイプの特徴について、詳しくは下記の本をお勧めします。

エニアグラム〜自分のことが分かる本

 

 

 

 

 

 

 

10 コメント

  • #1

    寺村紀子 (木曜日, 01 1月 1970)

    新首相のプロファイリング興味深く読ませていただきました。具体例で書かれているので、イメージが湧きやすくとても理解しやすいと思いました。

    ただ、小沢一郎、前原誠司もタイプ3ですか…?

  • #2

    高岡よし子 (木曜日, 01 1月 1970)

    コメントありがとうございます!

    小沢一郎さんは、タイプ8と考える方もいらっしゃるでしょうし、
    その可能性は、否定しません。

    ただ、タイプ8の石原都知事がいいたいことを言うのに比して、
    小沢さんは結構、自己抑制し、計算している印象が強いです。
    口を結ぶ表情が多いですね。

    タイプ8の戦略は、大まか。
    小沢さんの戦略はかなり綿密に思えます。

    小沢さんの資料研究が進んでいないので、
    具体的な資料を提示できなくて恐縮です。

    前原さんについても資料研究が十分ではありませんが、
    そつのないスマートさ、合理的傾向(感情をあまり表現しない)など、
    比較的タイプ3の典型例のように見えます。

    ちなみにタイプ3の芸能人として、郷ひろみがいます。
    自伝も読みましたが、タイプ3であることはまず間違いないと
    思われます。

    前原さんが永田町の郷ひろみといわれているのは興味深いです。
    雰囲気が似ているのでしょう。

  • #3

    山田 智大 (木曜日, 01 1月 1970)

    プロファイリング、楽しく読ませてもらいました。

    小沢一郎と前原誠司は、タイプ8とタイプ1なのでは、という仮説を持っているので、今度もっと詳しくお話聞かせてください。

    タイプ3が「やればできる」と思うことが多いのは、
    ”現時点での自分に価値を感じられない”という怖れを
    ”未来の自分には価値がある”と変換することで、
    現時点で感じている怖れを抑圧できる方法だと感じています。

    何かを達成するときにとても有用な方法であると同時に、
    未来の大きな挫折につながる危険な方法だと感じます。

  • #4

    高岡よし子 (木曜日, 01 1月 1970)

    ブログを読んでいただいて、ありがとうございます。

    また、タイプ3の「やればできる」という感覚についての深層心理、
    質の高い分析で、大変参考になりました! 
    表面的なポジティブ志向として解釈してしまうと、見えない視点ですね。

    前原誠司さん、細野豪志さんなど、民主党は結構タイプ3の人がいるように思います。

    前原さんがタイプ1ではないと思われる根拠、
    そしてタイプ3であるという可能性と矛盾しない根拠は、
    たとえば下記の記事にあります。

    日経ビジネスオンラインより:

    自身を党首たらしめた「強さ」を備える一方で、「有言」と「実行」に距離があり、言動にも「軽さ」が浮き出る。

    もちろん健全なタイプ3であれば、言行一致していますが。

    簡単なデータですが、今後も探求を続けたいと思います。

  • #5

    よしい ひろと (木曜日, 01 1月 1970)

    はじめまして、メーカーのエンジニアをしながらエニアグラム研究をしている者です。(昨年「9タイプス」という本を書きました)
    『エニアグラム自分のことが分かる本』も読みました。
    非常に要点が整理して書かれていて感銘を受けました。
    今後ともよろしくお願いします。

    さて、
    昨年の総選挙直後、自分のブログで民主党の方々をプロファイリングした時のドキュメントを載せます。(現在はちょっと理由があってそのブログの内容は削除しています。)
    なお、ドキュメントの後の方で出てきますが、私の意見は、菅さんはタイプ7です。
    また、機会があればディスカッション出来れば、、と思います。


    とうとう政権交代。を実現した民主党の方々のタイプ分類(推定)をしたいと思います。 執行部の中でも一番キャラが立っているのが岡田さん(推定タイプ1)です。 -とにかくマジメ -反面、融通が効かない 感じが、もう歩くタイプ1です。この推定結果は相当自信があります。 次に小沢さんですが、多分タイプ9だと思います。これに関してはお蔵入りした原稿を載せます。
    >> 小沢一郎さんについてこの本で紹介した偉人、有名人の中で一番判定が難しかったのが、小沢さんです。小沢さんの独特な威圧感がどうしてもタイプ9とマッチ ングしない感じがしたのです。普通、タイプ9がリーダーになっても、どこか隙のある、親しみやすい雰囲気が出てきます。これがタイプ9の独特の特徴なので すが、その感じがあまり小沢さんには見えないのです。しかし、時々見せる気さくな笑顔や、記者会見で見せる内にこもったしゃべり方など、タイプ9の雰囲気 がプンプンしています。そして、一番タイプ9的だなと思ったエピソードが、例の“プッツン辞任”事件です。タイプ9は自分の考えを他人に説明するのが非常 に苦手です。その結果、自分の考えが先走りして仲間を置いていくという行動を取ることが時々あります。小沢さんが“豪腕”と評されるのも、この自分の考え が先回りして皆を置いていってしまう所から来るんじゃないか?と思っています。もし小沢さんがタイプ9だとすると、細川元首相が急に辞任したことも必然 だったと考えられます。細川さんは典型的なタイプ9です。当時、色々な要因があったと思いますが、タイプ9同士の二人が同じ政権でやっていくのは無理が あったと推測できます。
    次は菅さんですが、多分タイプ7だと思います。菅さんのことは、実際よく知らないのですが、立ち振る舞いを見るにタイプ7の雰囲気がプンプンしてきます。 決め手は -花があるところです。 やはりタイプ7は、どこかにスター性を持っています。 最後に残ったのが鳩山首相ですが、正直よくわかりません。(あれほどキャラが立っているにもかかわらず、よくわからない、というのは、私もまだまだです な..) 第一印象の飄々とした感じからするとタイプ9かと思いますが、小沢さんのタイプ9推定には自信があるので、一緒にうまくやっている所を見るとタイプ9の可 能性は低くなっていきます。まずないだろうタイプとしては、タイプ2、タイプ3、タイプ4、タイプ6、タイプ7、タイプ8です。結局、残った可能性はタイ プ1とタイプ5ですが、どちらかというとタイプ1ではないか?と思います

  • #6

    よしい ひろと (木曜日, 01 1月 1970)

    書き忘れましたが、オバマ大統領、前原さんのタイプ3は私もそう思います。(これは相当自信があります)
    麻生太郎さんはタイプ8だと思います。
    石原さんのタイプ8も同意です。(これも自信あります)

  • #7

    高岡よし子 (木曜日, 01 1月 1970)

    コメントをいただき、また『自分のことが分かる本』をお読み
    いただきましたことをうれしく思っております。

    今後もどうぞよろしくお願い致します。

    タイプ診断につきましては、また改めてディスカッションを
    させていただく機会を待った方がよろしいかと思いますが、
    少しだけ、私見を補足させていただきます。

    岡田さんがタイプ1であるというのは、私も同意見です。

    小沢さんについてですが、「自分の考えが先走りして仲間を
    置いていく」という行動については、私としましては、
    タイプ3の特徴の表れと見ています。

    あまり説明が得意でないということは、タイプ3でもあります。
    タイプ9とは理由が違いますが。タイプ9は本能的感覚に
    根ざしているので、説明が難しい。

    タイプ3は、自分にはヴィジョンがぱっと見えてしまうので、
    そこへ先走りして向かってしまい、他の人とプロセスを丁寧に
    共有できないことがあります。論理的根拠を積み上げていく
    タイプではありませんね。

    また、菅さんについてですが、スター性、花がある、
    あるいは時にカリスマ的というのも、タイプ3の特徴
    であると見ています。

    菅さんの人物評は、タイプ7のものというよりも、
    タイプ3特有の合理性や現実主義、パフォーマンス
    といった点に焦点が当てられています。
    タイプ7のように、周囲を楽しくするムードメーカー
    という感じではないと考えています。

    タイプ7の政治家としては、河村たかしさんが
    可能性として挙げられます。

    また、同じタイプ3でも、性的本能が高いタイプ3のもつ
    華やかさというものもあります。

    そのため、同じタイプ3でも、より性的本能が強い
    菅さん(社会的本能、性的本能、自己保存的本能の
    順に強い可能性があります)の方が、小沢さん(社会的
    本能、自己保存的本能、性的本能の順に強い)よりも
    スマートで華やかさがあるように思われるのではと考えています。

    鳩山さんについては、以前のブログでも書きましたが、
    タイプ5で6のウィングと考えています。

    今日はこの辺で。

    *注
    社会的本能 http://tinyurl.com/y9ynubo
    自己保存的本能 http://tinyurl.com/yamztnc
    性的本能 http://tinyurl.com/ykb37jm

  • #8

    よしい ひろと (木曜日, 01 1月 1970)

    早速のコメントへの返事ありがとうございました。
    エニアグラムの議論は面白いですね!

    私がタイプ3だと思う政治家は、
    徳川家康、田中角栄、オバマ大統領、前原誠司です。

    タイプ7だと思う政治家は
    織田信長、坂本龍馬、小泉純一郎、菅直人です。

    その決定的な違いは、タイプ3は派閥(仲間)を作る(派閥の中心になる)のに対して、タイプ7は決して派閥を作らない(一匹狼)、所です。

    (拙著「9タイプス」にも書きましたが)
    そもそもタイプ7の政治家は非常に稀で、歴史の転換期しか活躍できない、と思っています。

    掲示板での議論で大変失礼いたしました。
    是非、お会いして議論できれば、と思いますが、
    現在、公私ともに忙しく時間がなかなかとれません。

    しかし、そう遠くないうちに、是非、お会いして話を出来ればと思っております。その時が来たら、また、こちらから正式にご連絡致します。

    よろしくお願いします。

  • #9

    水川さやか (木曜日, 01 1月 1970)

    日々の気づき。

    自分の中であの人はタイプ何だと思ってあれこれ理由付けしているけど、実際はほとんど間違っているでしょうね。

    対象の見かけや印象にとらわれ、このタイプはこうだという前提からレッテル思考に陥ってしまうダメダメな私です。

    盲人(私)と像

  • #10

    高岡よし子 (木曜日, 01 1月 1970)

    さやかさま

    タイプ診断について、コメントをお寄せいただき、ありがとうございました。
    エニアグラムを学ぶ誰もが気をつけなければいけない点ですね。

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